「コツコツが長所」自信ついた…壇蜜さん

　

タレント

• 壇蜜さん（安斎晃撮影）

• 　　勉強が苦手で人付き合いもうまくできない。

  　　東京の昭和女子大学付属昭和小学校時代の私は、とにかく自信を持てない子でした。同級生もおとなしい私を遠ざけ、距離を置いていました。６年生の頃、「学校に行ってもどうせ一人」と思うとしんどくて、体調を崩して休んだこともあります。

  　　学校になじめない私を心配した母が校長先生に相談すると、「遅咲きの桜もあるから」と言ってくれたそうです。安堵（あんど）の表情で「精神的に楽になった」と話をする母を見ると申し訳なくて……。同時に「自分がしっかり育つことで、お母さんも母として成長するんだ」と思ったことを覚えています。

  　　中学校への入学を控えた春休み、母は近所の大学生のお姉さんに私の家庭教師になってくれるよう頼んでくれました。その人が分かりやすく教えてくれ、授業に困らない程度の学力レベルになりました。すると不思議と自信もつき、自然と友達もできていったのです。心に余裕ができたのでしょうね。

  　　中学から高校にかけて、担任でもないのに親身に面倒を見てくれた数学の先生にも感謝しています。当時３０歳代の男性でした。私は毎日、ノートに数学の問題を１０問解き、日記を添えて自主的に提出していました。すると先生がある日、「あなたはコツコツと取り組めることが何よりの長所」とノートに返事を書いてくれました。

  　　今、仕事で努力することが苦にならないのは、先生が自信をつけてくれたおかげでもあると思っています。誰かと競争するのではなく、しっかり自分と向き合って生きています。（聞き手・桜木剛志）

  プロフィル

  だんみつ　１９８０年、秋田県生まれ。グラビアなどで活躍。英語教員や調理師の免許、日本舞踊師範の資格を持つ。「久米書店～ヨクわかる！話題の一冊～」（ＢＳ日テレ、日曜午後６時）に出演中。著書に「壇蜜日記」など。

  　　（２０１５年３月１２日付読売新聞朝刊掲載）