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EU、ギリシャに改革着手求める

 [FT]EU、ギリシャに改革着手求める

 

  ギリシャは3月中にも資金繰りが厳しくなると予想される中、緊急支援を受けるつもりなら債権者の求める経済改革の一部に今すぐ着手すべきだ。ユーロ圏の交渉責任者はこう警告した。

  ユーロ圏財務相会合の議長としてギリシャとの交渉を進めるオランダのデイセルブルム財務相はフィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、早ければ今月にもギリシャへの緊急支援枠1720億ユーロの残りの72億ユーロを「初回支払い」として支出する用意があると答えた。

 デイセルブルム議長(左)と立ち話をするギリシャのバルファキス財務相(2月17日、ブリュッセル)=ロイター

 

  ただし、この支援は、ギリシャ新政権がEUと同国の双方が速やかに合意できる改革案を受け入れてはじめて実施される。支援策への反対を掲げて発足したギリシャの新政権は、既存の救済策に盛り込まれている対策の実施に数週間にわたり抵抗し続けている。

  「私がギリシャ政府に伝えたいのは、再交渉がすべて終わるのを待たずに改革に着手せよということだ」とデイセルブルム議長は話す。「対策のなかにはきょう始められることもある。今始めれば、3月中に初回の支払いが行われるだろう。しかし、やる気を見せるだけでなく改革が進んでいる必要がある」

  デイセルブルム議長の発言は、ギリシャの資金が間もなく底をつき、返済不能になるリスクや、先週EUと緊急支援をさらに4カ月延長することに合意したにもかかわらず、ギリシャ政府がそのまま突き進んでしまうことに対する懸念がユーロ圏の各国政府で高まっていることを反映している。

 ■ギリシャ、条件を受け入れる兆し見えず

  先月27日に正式に支援の延長が決定されたが、これはギリシャが要求される経済改革項目すべてを実施して初めて行われるものである。対策項目すべての実施には何カ月もかかるとの見方が強い。しかし、ギリシャ救済を監視している当局者は、ギリシャの資金は2~4週間後に底をつくと予想しており、国際通貨基金(IMF)への返済分14億ユーロを含む約43億ユーロの債務返済を3月に行うことは不可能との見方が強まっている。

  デイセルブルム議長はギリシャが求める短期国債の増発に触れなかったが、同議長が現金での救済支援という対案を提示したことから、もしギリシャが改革案に合意したならば、ユーロ圏当局がギリシャの差し迫る資金逼迫を回避する手段として短期国債の増発を認める可能性も見えてきた。デイセルブルム議長は「2カ月もかけて交渉した末、何も進展がなかったら、4月末には事態は非常に深刻になっているだろう」と述べた。同議長の提案にもかかわらず、交渉関係者によると、ギリシャがこれらの条件を受け入れる兆しはほとんど見えていないということだ。

 By Peter Spiegel

 (2015年3月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 

 

 (c) The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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