五輪を紹介

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ケラー桜 思い出咲く地へ

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 ◇初来日時植樹 旧琵琶湖ホテルに「3代目」

  視力や聴力を失いながら社会福祉活動に取り組んだヘレン・ケラー(1880~1968年)ゆかりの桜が旧琵琶湖ホテルの「びわ湖大津館」(大津市柳が崎)に植樹され、23日に記念プレートの除幕式が行われた。ケラーがこの場所で植えた桜の「孫」で、今後、花が楽しめそうだ。

  • ヘレン・ケラーが植樹した桜(琵琶湖ホテル提供)

      米国出身のケラーは1937年に初来日し、宿泊した旧琵琶湖ホテルで枝垂れ桜を植樹。98年にホテルが浜大津へ移転するのに合わせ、桜も湖上輸送されて植え替えられたが、翌年枯れてしまった。

      その後、造園会社「京阪園芸」(大阪府枚方市)が、ケラーが植えた桜の枝から接ぎ木し、子桜を残していたことが判明。2008年、現在の琵琶湖ホテルに植樹された。

      孫の桜は子桜の枝から接ぎ木し、同社の樹木医・武石誠一さん(61)らが育ててきたもの。京阪・琵琶湖汽船グループが昨年4月に同館の指定管理者となり、一帯の整備に合わせて植えられた。

      式では、琵琶湖汽船の川戸良幸社長が「憩いの場として訪れてもらえるよう、立派に育てていきたい」とあいさつ。高さ4メートルの孫桜の横に設置されたプレートが披露された。

      武石さんは「歴史ある建物の横に戻せるとは思っていなかったのでうれしい。訪れる人にぜひ楽しんでほしい」と話していた。