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<選抜高校野球>ふっと抜いた球…奈良大付の坂口大誠投手

 <選抜高校野球>ふっと抜いた球…奈良大付の坂口大誠投手

 ○敦賀気比(福井)3−0奈良大付(奈良)●
 
  胸につきそうなほど左足を高く上げるダイナミックなフォームから、ふっと抜いた球が来る。球速90キロ台。そんな緩いチェンジアップを、昨夏の甲子園で猛打を振るった敦賀気比の篠原、平沼にも初球から平然と使う。奈良大付の坂口大誠(たいせい)投手(3年)は「怖くはない。自信のある球だから」。
 
  強心臓の右腕も「甲子園の雰囲気にのまれた」。序盤、制球がままならない。二回はボールが先行し「ストライクを置きに行って」痛打された。
 
  「流れを変えたかった」。昨秋から体のバランスを良くするために使っていたマウスピースを、試合中初めて外してみた。すると肩の力が抜けたように調子が上がってきた。
 
  七回途中3失点で降板したが、二回以外は連打を許さず「粘りの投球はできた」。ただし、相手エースの平沼には「全てで負けている」と思った。
 
  初の甲子園は初戦で去る。「いろいろやり残したことがある」。淡々とした口ぶりにも夏への強い思いがにじんだ。【山口敬人】