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世界で高評価、福島の高校生が作った「防災ロボット」

 世界で高評価、福島の高校生が作った「防災ロボット」

 
  世界最大の家電見本市。最先端技術に各国の注目が集まります。その会場に現れた日本の高校生、伊藤謙志郎さん(18)、鈴木智弥さん(18)、上田勇一朗さん(18)。
 
  彼らが世界に発表するのがこちら。
  「これは多機能型防災ロボット、『プロロボ』といいます」(鈴木智弥さん)
 
  「プロロボ」とは、家族の安全をプロテクト。「守るロボット」という意味。温度センサーなど4つのセンサーを内蔵し、地震、火災、侵入者などを検知し、すぐに知らせる防災機能を持ちます。去年、センサー技術のアイデアを競う世界大会で優勝しました。
 
  「地震を起こします。プロロボが持ち主にメールを送ります」(鈴木智弥さん)
  「Eメールね。これは実際に人の役に立つと思います」(中国企業CEO)
 
  このような防災ロボットをなぜ作ろうと思ったのでしょうか。
 
  「私たちは福島の出身で、じかに震災を味わったが、そこで悲しんでいるだけでなく、自分たちから何か行動を起こさなければいけないと」(鈴木智弥さん)
 
  福島県大玉村。4年前の3月11日、中学2年生だった鈴木さんは、ここで大きな地震に襲われました。
 
  「家族の安否と情報が全く手に入らなかったことが、本当に怖かった」(鈴木智弥さん)
 
  災害時の情報とコミュニケーションの大切さが鈴木さんの心に深く刻まれました。その直後、福島第一原子力発電所で事故が発生。最初に調査に入ったロボットがアメリカ製だったことに鈴木さんは対抗心を燃やしました。
 
  「いざという時にもちゃんと、すぐに使えるロボットを作っていきたいと思った」(鈴木智弥さん)
 
  ロボット製作で有名な郡山北工業高等学校。震災の翌年、鈴木さんはこの学校に入学。知り合った伊藤さん、上田さんと相談し、防災ロボットを作ることにしました。こうして誕生したプロロボには、防災機能に次ぐ第二の機能として非常時に使う探査機能が備えられました。
 
  例えば、危険な瓦礫の下などは遠隔操作で人を捜索。体温を検知するとその場で自動停止し、アラームを鳴らして知らせます。さらに、ビデオ通話で交信も。
 
  鈴木さんたちは、このロボットで福島の人々の役に立ちたいと考えていました。実は、福島県民のうち今も11万8000人以上が避難生活を余儀なくされています。この日、鈴木さんたちが訪れたのは郡山市内の仮設住宅。双葉町から避難している人が集まってくれました。
 
  鈴木さんたちは、プロロボの第三の機能、コミュニケーション機能を説明。…