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<新日鉄住金>小倉高炉1基を休止へ 18年度末めどに

 <新日鉄住金>小倉高炉1基を休止へ 18年度末めどに

 ◇中期経営計画 残る高炉の戸畑1基で稼働率アップ狙う
 
  国内鉄鋼最大手の新日鉄住金は3日、八幡製鉄所(北九州市)小倉地区の高炉1基を2018年度末をめどに休止することなどを盛り込んだ中期経営計画(15〜17年度)を発表した。同製鉄所の高炉は戸畑地区の1基のみとなり、この高炉の稼働率を上げるなどして競争力を高める狙い。小倉地区は旧住友金属工業の小倉製鉄所が前身。影響を受ける従業員約190人の雇用は維持する方針。
 
  高炉は鉄鉱石から銑鉄を取り出す、鉄鋼会社の主要設備。12年10月に旧新日鉄と旧住友金属が合併した後、高炉休止を発表するのは、15年度末をめどに休止する君津製鉄所(千葉県君津市)の1基に次ぎ2基目。両高炉の休止で新日鉄住金の高炉は全国の7製鉄所で12基となる。
 
  小倉地区では、自動車向けの特殊鋼を生産している。高炉休止後は戸畑地区の高炉で鋼材原料を増産して小倉に輸送し、特殊鋼の生産は継続する。
 
  中期計画は、海外メーカーとの競争が激化する中、現行の中期計画(13〜15年度)がおおむね達成見込みとなったことから、新たな目標として策定。17年度までの3年間で国内で計約1兆3500億円の設備投資(13〜14年度は約7000億円)を行うほか、新日鉄住金単体でこれまでの約2倍となる年間1300人(同700人)を採用するなど、攻めの態勢作りを進める。昨年発生した名古屋製鉄所(愛知県東海市)での火災など相次ぐトラブルを受け、老朽化設備の更新を進めるほか、若い社員を育成する。【宇田川恵】
 
  ◇新日鉄住金の中期経営計画のポイント
 
 生産体制   小倉の高炉1基休止、戸畑で2018年度末めどに増産
 
 国内設備投資 3年で約1兆3500億円
 
        (2年で約7000億円)
 
 事業投資   同約3000億円(2年で約2600億円)
 
 研究開発費  同約2100億円(2年で約1300億円)
 
 資産圧縮   同約2000億円
 
 採用(単独) 年間約1300人(年間約700人)
 
 ※カッコ内は2014年度まで2年間の見込み。事業投資は主に海外向け