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持ってる男!岡本、初打席投ゴロと思いきや強襲打!

持ってる男!岡本、初打席投ゴロと思いきや強襲打! 

     2軍紅白戦の2回2死、初打席で投手強襲の内野安打を放った岡本

  •  4回1死一塁、北之園のフライを落球した岡本

      ◆巨人2軍紅白戦 白組4―0紅組=特別ルール=(12日・ひむか)

      巨人のドラフト1位、岡本和真内野手(18)=智弁学園高=が12日、プロ初打席初安打デビューを飾った。初実戦となった2軍の紅白戦(ひむか)に白組の「6番・三塁」で先発し、第1打席で投手強襲の内野安打をマーク。守備では4回1死一塁から飛球を落球したものの、二塁に送球しアウトで、失策はつかず。試合後に笑顔はなかったが、期待の大砲は、やはり「持っている」男だった。

      追い込まれても、スタイルは変えなかった。岡本は三振を恐れず、思い切りバットを振った。高いバウンドのゴロを投手・成瀬が三塁方向にはじく。その間に悠々と一塁ベースを駆け抜けた。プロ初打席で初安打。決していい当たりではなく「ただのピッチャーゴロです。ヒットとは思っていません」と表情を変えなかったが、デビュー戦でいきなり結果を残した。

      2回2死。素振りを4度、繰り返してゆっくり打席に向かった。平常心のつもりだったが、無意識に雑念が生まれた。初球から2球続けて外角直球を見逃し。「直球を待っていたのですが、手が出なかった。直球かな変化球かなと考えて受け身だった」。それでも、怪物は転んでもただでは起きない。すぐに修正して3球目の低めの直球を強振。投手強襲安打をもぎ取った。

      広角に打てる柔らかいスイングは、ゴジラのお墨付きだ。3日。キャンプを訪問した松井秀喜氏から、練習中に声をかけられた。「ボールの内側をしっかりとらえられている。それでいいよ。そのまま振りな」。金言が胸に響いた。「高校の時から強く振ることが持ち味。それをなくさないように」と誓った。初の実戦。自分を信じてフルスイングを貫いた。

      “失策”回避も反省 課題も見えた。三塁の守備では4回1死一塁から平凡な飛球を落球。二塁に送球してアウトを取り、失策はつかなかったが「風が分かっていなかった」と猛省した。その後の特守では、右ふくらはぎをつって途中で打ち切り。実戦デビューの一日は生涯、忘れられないものになった。

      9日の練習後、卒業式出席のため奈良に帰省した。「向こうではしっかり休もうと思いました」。友人との再会を楽しんだが夜更かしせず、疲労がたまった体のケアを優先した。11日の卒業式後は1時間ほど実家に滞在し、父・義清さん(53)が運転する車で伊丹空港に移動、午後7時に宮崎に戻った。黄金ルーキーは「しっかり社会人としてやっていきたい」との自覚を胸に、デビュー戦に備えた。

      2打席目は好機で選球眼の良さを見せて四球。3打席目は平良の外角スライダーに豪快な空振り三振だった。2打数1安打だったが「全くいいところがなかった」と自己採点は厳しかった。「プロのレベルは高い。すべての面で課題があるので、しっかり練習します」。初実戦で得た教訓を深く、胸に刻んだ。(片岡 優帆)