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新世紀の音楽たちへ 第4回「同人音楽の中の民族音楽」

 新世紀の音楽たちへ 第4回「同人音楽の中の民族音楽」

 新世紀の音楽たちへ 第4回「同人音楽の中の民族音楽」
 同人音楽を様々な観点からめぐる連載「新世紀の音楽たちへ」。今回は「民族音楽」について。実は、同人音楽と民族音楽には少しユニークなつながりがある。
 
 ニコニコ動画やYouTubeの音楽関連のタグで、よく「民族音楽」という言葉を見かける。M3のカタログにも毎回一定の数、「民族音楽」のサークルが登場する。でも、これってよくよく考えてみると不思議なことじゃないだろうか。
  
 民族音楽。
 
 別に特殊な言葉じゃない。ニコニコ動画で「民族音楽」というタグを検索して見ればたくさんの動画がでてくる。2ちゃんねるのスレッドなどでもよく使われているようだ。それどころか、「民族音楽+電子音楽の楽曲を教えろください!」なんていうような質問も見かけたりする。
 
 同人音楽即売会や、音楽サークルのホームページを見ても「うちは民族です!」と、「民族音楽」を旗にかかげる人たちもたくさんいる。僕も同人音楽でよく聞くような「民族音楽」がとても好きだ。たとえばこんな一枚のCDがある。
 
 アルティナ・トスの召喚壁に捧ぐ
 新世紀の音楽たちへ 第4回「同人音楽の中の民族音楽」
 http://hagall.hacca.jp/forAT/
 
 もちろんTSUTAYAにそんな棚はない・・・・・・と思ったらあった。某都心のTSUTAYAのレンタルCD棚には「民族音楽」の棚は、日本でもブームを巻き起こした「ワールドミュージック」を中心に「アフリカ大陸セネガル民族音楽ジェンベ・シリーズ」がちゃんとおいてあった。TSUTAYA、やるじゃねぇか……っ。
 
 でも、TSUTAYAの民族音楽(ないし民族)の棚と、同人音楽における「民族音楽」はちょっと様子が違っているようにも見える。TSUTAYAの棚では、特定の地域に住んでいる部族が受け継いできた器楽と音調からなる音楽だったり、宗教祭儀に使われたりする音楽が並んでいる。けれどもイベントに合わせて制作された同人音楽CDは、そうした民族の生活や祭儀と深い関係をもつ「民族音楽」なわけではない。
 
 だから、「民族音楽」と区別し「民族調音楽」という呼び方も一般的だ。でも、今回は「民族調」とは言わずに「民族音楽」で統一させてほしい。
 
 例にあげた『アルティナ・トス』がHPで標榜している「民族音楽の要素」、つまり「民族音楽らしさ」というのは一体なんだろう? それは、どこから来たのだろう?
 
 それから、なぜ世界中の諸地域の音楽と、別にそうした地域の生活を代表しない民族調の音楽が共に「民族」と「音楽」という共通した言葉で説明されるのだろう。…