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民主の退潮「底打ち」「底なし」意見分かれる

民主の退潮「底打ち」「底なし」意見分かれる

民主党は統一地方選前半戦で議席を大幅に減らしたことで、党勢の地盤沈下が止まらない危機感が広がっている。

 当初は反転攻勢の足がかりと位置付けていたが、政令市議選では共産党を下回る「野党第2党」の勢力に転落するなど、目標とは程遠い結果に終わったためだ。党内には、政権奪還に向けたシナリオを描けない執行部への不満にとどまらず、党の将来性を悲観して、野党再編を求める声も再び出始めている。

 岡田代表は13日の党役員会で、「全国的に厳しい状況だった」と述べ、各地で苦戦を強いられたとの認識を示した。

 41道府県議選での獲得議席は、前回比82議席減の264議席に落ち込んだ。17政令市議選では、公明、共産両党の後塵(こうじん)を拝し、第4党に後退した。得票同数で14日に当選者が決まる熊本の1議席を除き、前回147議席から126議席に減った。大阪市議選では党公認候補の当選がゼロに終わった。

 執行部は当初、統一選で党勢を回復軌道に乗せ、政権奪還につなげるシナリオを描いていた。事実上の自民、民主両党の対決となった札幌市長選では勝利し、与党に一矢報いる局面もあったが、期待を大きく裏切る敗北に、党内では「深刻な事態だ」と衝撃が広がっている。

 ただ、選挙結果の総括をめぐっては、退潮傾向に歯止めがかかった「底打ち」派と、今後も党勢低落が続く「底なし」派で、意見が分かれている。

 枝野幹事長は、党勢の衰退が「底を打った」との認識だ。道府県議選の前回当選者は346人だったが、その後の党分裂などの影響で告示前勢力が275人に減った事情を考慮しているためだ。枝野氏は13日、国会内で記者団に「若干の微減だが、ほぼ現有を維持できた」と総括し、「2012年衆院選か13年参院選の辺りで底打ちして戻しつつある流れだ」と強調した。

 細野政調会長は「底なし」の低迷への危機感を抱いている。13日、静岡市で記者会見し、「民主党の厳しい傾向に歯止めがかかっていない」と指摘した。党内では「自民党に代わる受け皿と見なされていない」との失望感も広がっており、長島昭久元防衛副大臣も「党の存在意義が問われている」と語った。