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<独旅客機>副操縦士から病気の診断書は提出されず

 <独旅客機>副操縦士から病気の診断書は提出されず

 ◇仏検察「副操縦士は当初の過失致死容疑から変わらず」
 
  【ベルリン篠田航一】フランス南部で起きた独ジャーマンウイングス機墜落で、ジャーマン社は27日、同機を墜落させた疑いがあるとして捜査が続くアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)から、これまで病気の診断書は提出されていなかったことを明らかにした。そのうえで「提出がなければ、雇用者側は(病気を)認識するのは難しい」との見解を示した。DPA通信が伝えた。
 
  独デュッセルドルフ検察当局は既に副操縦士宅から、墜落当日の24日も加療期間内とされている「病気診断書」を押収したと発表したが、病名などの詳細は27日時点で明かしていない。診断書は破られていたという。メディアで報じられたうつ病など精神的な病気と、機体を墜落させた行為との因果関係について仏独捜査当局は慎重に調べを進めている。また、仏マルセイユ検察のロバン検察官は27日、副操縦士の捜査は当初の過失致死容疑から変わっておらず、故意の殺人を企図した殺人容疑ではないと強調した。
 
  副操縦士は約2週間前、デュッセルドルフ大学病院でうつ病の診察を受けたとも報じられている。しかし、同病院は「うつ病での診察ではない」と否定しており、副操縦士の通院歴や診断書が、全て精神的な病気に関連するかは現時点では不明だ。一方、副操縦士は診断書が出た事実を職場の上司や同僚に隠して墜落機を操縦しており、自身の病気を十分に認識しながら、勤務に就いたとみられる。捜査当局は今後、こうした病気がどの程度重症だったかや、健康を管理する雇用者側が病気の兆候をどこまで認識し、問題発生を防ぐ予見性を有していたかについても調べを進める。
 
  また、独メディアによると、副操縦士は数週間前、交際女性と自分のために計2台の乗用車を注文し、1台は既に納車されたという。だが、この恋人との関係も最近は良好ではなかったという。捜査当局は、副操縦士が恋人や友人に話した内容やその際の様子などからも墜落直前の心理状況を分析する方針。