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もんじゅ、また点検不備=重要配管の検査せず―運転準備再開、遠のく可能性

 もんじゅ、また点検不備=重要配管の検査せず―運転準備再開、遠のく可能性

 

  多数の点検漏れが見つかり、原子力規制委員会から運転再開準備の中止命令を受けた日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、安全上最重要に分類される「クラス1」の配管の肉厚測定などが適切に行われていなかったことが25日、分かった。原子力規制庁が規制委に報告した。

  原子力機構は9月までの中止命令解除を目指し、「保守管理と品質保証の体制を再構築した」とする報告書を23日に文部科学省に提出したばかり。規制庁は「保安規定違反の可能性も否定できない」としており、命令解除がさらに遠のく可能性が強まった。

  規制庁は3月2日から20日まで保安検査を実施。ナトリウムが循環する1次冷却系配管で目視できない部分の劣化評価が適切に行われていないことや、ポンプ類の冷却配管で16カ月に1度実施する肉厚測定が計画通り行われていないことが判明した。原子力機構が最後に肉厚測定を行ったのは2007年11月だった。

  いずれもクラス1配管だが、規制庁は保安検査の中で、現時点では安全に問題がないことを確認した。

  規制庁は検査前、今回の保安検査でクラス1機器を点検すると原子力機構に通告した。機構は検査初日の2日に不備を発見し、6日に申し出たと説明している。

  規制委の田中俊一委員長は25日の定例会見で「一番重要なクラス1に検査の抜けがあった。やはり、なかなか重症だ」と述べ、原子力機構の姿勢を批判した。

  原子力機構は「集中改革の中で体制の再構築を実施してきたが、チェック機能の定着が不十分だった」としている。