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57階ビルを19日間で建設! 技術の核心は「積み木方式」=中国・湖南省

 57階ビルを19日間で建設! 技術の核心は「積み木方式」=中国・湖南省

 中国で、湖南省長沙市で建設中のビル「小天城」が「19日間で57階まで完成した」として注目を集めている。建設を手掛けた遠大科技集団関係者によると、24時間体制の突貫工事と「積み木方式」の組み合わせで「1日あたり3階分」という建築速度を実現した。関係者は地震にも強いとして、「マグニチュード9の地震にも耐えられる」と保証した。中国新聞社などが報じた。
 
  「小天城」の床面積は18万平方メートルで、4000人を収容できるオフィススペースが設けられるほか、住宅800戸が入居するという。「1日あたり3階分」で工事が終了したのは建物の構造部分で、内装などの完成はしばらく先だ。
 
  遠大科技集団傘下の遠大可建公司の何優賢設置部部長によると、「小天城」の建設にあたって工程の95%は工場内でのユニット製作作業だった。現場では作業員が組み立てていった。分業作業と建築現場の「積み木方式」で工期を大幅に短縮したという。
 
  遠大科技集団が「異様に早い建設」を行ったのは「小天城」が初めてではなく、2010年には上海万博会場で6階建て建物を1日で作った。長沙市内で15階建て建物を6日間、30階建て建物を15日間で建設したこともある。
 
  「小天城」は当初、97階建てとして計画されていたが、長沙黄花空港への空路の問題で、計画を57階建てに変更した。建物の安全性の問題について遠大可建公司総工場の肖長庚工場長は「マグニチュード9の地震でも倒れません。テロの襲撃を受けても、全く損傷を受けません」と断言した。
 
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 ◆解説◆
  肖工場長は「マグニチュード9の地震でも倒れません」と言ったが、マグニチュードは地震の規模を示す尺度で、揺れそのものを示すものではない。日本では保有水平耐力など、通常の震度とも違う加わった力に対する建物の耐性を主眼とした耐震基準が定められている。目安としては、「震度6強の地震でも、建物が即座には倒壊しない」ことを想定しているという。
 
  地震の規模で言えば、東日本大震災をもたらした2011年の東北地方太平洋沖地震がマグニチュード9だった。これまでに観測された最大規模の地震は1960年のチリ地震(マグニチュード9.5)」だった。
 
  強度が十分であったとしても、例えば極めて強力な爆発物が仕掛けられれば、建物の損傷は免れない。地震に対する不正確な記述や、「テロの襲撃を受けても損傷を受けない」という安直な言い方からも、肖工場長の発言はそのままには信じがたい。…