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妖艶な魔性の存在・猫が描かれた浮世絵の展覧会開催

 妖艶な魔性の存在・猫が描かれた浮世絵の展覧会開催

 

 「いつだって猫展」メインビジュアル

 愛知県名古屋市の名古屋市博物館は、4月25日~6月7日、江戸時代にたびたび出現した「猫ブーム」の様子を浮世絵や土人形で展観する「いつだって猫展」を開催する。

浮世絵に登場する猫の姿を多数展示

 少なくとも弥生時代中期から日本にいたとみられる猫は、奈良・平安時代以降に上流階級に愛玩されるペットとなり、江戸時代に入るとネズミを捕まえる益獣として、魔を払う縁起物・魔性の存在として愛されるようになったという。

 また、江戸時代後期にはたびたび「猫ブーム」が訪れ、とくに天保12年~13年(1841年~42年)には、愛猫家である歌川国芳が猫を題材とした浮世絵を多数発表。擬人化された猫や歌舞伎役者の似顔絵が顔になった猫が見られるなど、猫ブームが爛熟した。

 (左)歌川国芳「猫の当字 かつを」天保14年・個人蔵、(右)歌川国芳「たとゑ尽の内」嘉永5年・個人蔵

 さらに、嘉永5年(1852年)には、江戸で「丸〆猫(まるしめねこ)」「招き猫」と呼ばれる今戸焼の土人形が、招福のシンボルとして流行。その後招き猫は全国各地に広がって製作され続けた。

 (左)歌川広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」個人蔵、(右)歌川国芳「山海愛度図会 七 ヲゝいたい 越中滑川大蛸」嘉永5年・個人蔵

 同展では、歌川国芳の作品など当時の浮世絵に加え、招き猫のご先祖様である「丸〆猫」の資料や全国各地の招き猫土人形、江戸時代から明治時代にかけて流行した簡易な浮世絵「おもちゃ絵」など、猫にまつわる作品を多数展示。

 「招き猫大集合」

 会場は愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1 名古屋市博物館。会期は4月25日~6月7日。開館時間は9時30分~17時(入場は16時30分まで)。休館日は4月27日、28日、5月11日、18日、25日、26日、6月1日。入館料は一般1,300円(税込)、高大生900円(税込)、小中生400円(税込)。