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東北の石盤葺職人ら、屋根修復技術などを台湾に伝授 震災支援に感謝で

 東北の石盤葺職人ら、屋根修復技術などを台湾に伝授 震災支援に感謝で

 (台北 16日 中央社)文化庁の選定保護技術「石盤葺」(せきばんぶき)の保持者、佐々木信平さんら東北の職人4人が、東日本大震災に対する台湾の支援に感謝を示そうと14日と15日、修復工事が進められている古跡「台湾総督府鉄道部」(台北市)で台湾の職人に洋風建築の屋根修復技術や経験などを伝授した。
 
 古跡は建築家の森山松之助が設計を担当し、日本統治時代の1920(大正9)年に完成。2014年の調査で、屋根の素材に宮城県十五浜村(現在の同県石巻市雄勝町)産の建設素材「天然スレート」が使用されていると判明し、古跡の修復を手掛ける国立台湾博物館は、修復でも雄勝町産のものを使おうと決めた。
 
 台湾側の要望に応えるため、同町の業者らは生産が未だ完全には回復していない中、津波で流されなかった素材をかき集め、必要なサイズに加工して、今回の作業に間に合うよう送ったという。
 
 佐々木さんらは、台湾の職人とともに施工を行い、屋根の一部の修復を完成させた。また、鉄道部と同様にスレート瓦が使用されている監察院(台北市)を視察し、台湾に現存する古跡の修復成果などを見学した。
 
 台湾総督府鉄道部は、日本統治時代に同部が庁舎として使用していた施設で、台北駅西側に位置する。修復工事は2014年から開始され、修復完了後は鉄道の歴史と文化を展示する博物公園に生まれ変わる。
 
 (鄭景ブン/編集:名切千絵)