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広島・黒田、恐怖の“痛”シーム!使える右殺し

広島・黒田、恐怖の“痛”シーム!使える右殺し

「オープン戦、広島9-2オリックス」(15日、マツダ)

 “殺人ツーシーム”に手応えありじゃ!広島の黒田博樹投手(40)が復帰2戦目となるオリックスとのオープン戦に先発し、6回を投げ、5安打2失点。初安打や初本塁打、初四球、初失点を許したが、クオリティースタート(6イニング以上3失点以内)で“復帰初白星”を挙げた。今回の収穫は右打者の内角をえぐるツーシーム。左スネに自打球を当て退場したオリックス・伊藤が、殺人ツーシームの最初の餌食となった。

【写真】“男気”黒田のカープ復帰会見が漫画になる!

 三回。無死一塁で伊藤への3球目だった。黒田が投じた白球は、ストライクゾーンから打者の内側に鋭く変化。ボールゾーンに食い込んだが、伊藤のバットは止まらない。すると打球は自分の左スネに直撃。激痛に耐えられず、その場にうずくまった。

 騒然とする観客席。球団職員に抱えられた伊藤はベンチ裏へ下がり、そのままグラウンドから姿を消した。黒田がメジャーを生き抜くために手にした「必殺球」。それは右打者の内角を強烈にエグる“殺人ツーシーム”だった。

 「ゲッツーが欲しい場面。右(打者)の懐に入っていかないといけない。いいボールの変化をしてくれたら、ああいう球になる。右打者も意識してくれるんじゃないかな」

 収穫を手にした一方で、反省も忘れなかった。四回、無死一塁でブランコに「不用意な1球」で初本塁打を献上。打者の手元を狙ったツーシームが、真ん中高めに甘く入ってしまった。このまま終わりたくない。五回の投球後、黒田は志願して六回のマウンドに上がった。そしてブランコとの再戦で、本塁打されたツーシームでファウルを打たせ、最後はスプリットで空振り三振に斬った。

 8日のヤクルト戦で見せた完全投球には及ばないが、今回は77球で6回2失点にまとめ、勝ち投手にもなった。少ない球数でテンポのいい投球。チームのオープン戦2勝が、いずれも黒田が登板した試合なのは偶然ではない。「100球のうち(納得する球が)50球でも、30球でも抑えないと。それがメジャーで長年やって養ってきたこと」と自信をのぞかせた。

 次回登板の22日・ソフトバンク戦(マツダ)が開幕前の最終調整で、100球をメドに投げる予定。8年ぶりに迎える日本のシーズンへ、40歳右腕に死角はない。